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通院できない方のための、くいしばり改善
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1、自分の身体のバランスを知る
院長
今日はなぜ食いしばってしまうのか、実際に体験してもらいながら説明していきます。頭痛、肩こり、腰痛の大きな原因が実は食いしばりにあることを皆さんご存じありません。それどころか自分が食いしばっていることすら気づいていないのです。身体に不調のある方の多くは夜寝る時も食いしばっています。
患者
先生、私は普段も夜寝ている時も食いしばっていないと思います。
院長
そうですか、では実際に食いしばりがあるのかどうか、体験を通して理解していきましょう。
まず少し足を広げて立ってみてください。
どこか特別力が入っている場所はありませんか?
踵に力がかかるのか、足指に力がかかるのか、それとも右足に力がかかっているなど、どこかありますか。それとも足全体に力がかかっていますか?
患者
踵に力がはいっています。
院長
そうですか、踵に力がかかる人は多いです。
立っていて、自分の姿勢の重心はどうですか?
患者
少し前の方に重心がかかっています。
院長
前後左右に押してみますね。
まず前後から始めます。
前方に重心のある人は前から押す力には強く、後ろから押す力には弱い傾向にあります。
次に左右から押してみます。
右足に力が入っていれば、右から押した時強く踏ん張れ、左足に力が入っていれば左から押す時に強く踏ん張ることができます。さあやってみましょう
患者
やっぱり先生の言うとり、後ろからの力に弱かったです。左右では左からの力に弱かった、私は右足に多く力が入っているということですね。
院長
そうですね、あと一つお尋ねしますが、いまあなたの舌は口の中でどのような状態か教えてください。
患者
舌ですか?・・・・舌は下顎にくっついています
院長
そうですか、ありがとうございます。
2、姿勢測定で自分の姿勢の確認
院長
大まかな姿勢の状態がわかりました。
では実際に機械を使って姿勢の写真を撮りましょう。
足圧も測定可能です。
自分がどういう姿勢なのか、楽しみにしてください。
患者
嬉しいです。
私も自分の姿勢が気になっていました。
スタッフA
奥の部屋で写真を撮ります。
5分もあれば終わります。
靴下はぬいで裸足で写真を撮ります。
患者
解りました。
スタッフA
緊張しないで普段の姿勢の状態を撮影します。
特に意識しないで大丈夫です。
前後左右、4枚写真を撮らせていただきます。
院長
姿勢の写真の説明をします。
正面から見ると額の中心が右側に41ミリ傾いています。
横からの写真を見ると身体がねじれているのがわかります。
上から見た3D図をみるとよくわかるのですが、
両足先はまっすぐですが、上半身は右回りにねじれています。
患者
かなり傾いていますね。
驚きました
院長
姿勢を改善するだけで食いしばらなくなり、いつも悩んでいる頭痛や肩こり、腰痛などが改善しやすいことがわかっています。
患者
ホントですか。ずっと肩こりで悩んでいます。
院長
本当です。
しかし、指示したことをきちんと守っていただくことが重要です。
すぐに状態が改善される方や、反対に良くなるまで日数のかかる方など結果がでるまでの時間は個人差があります。
また、指示したことをきちんと守っていただき、姿勢が良くなっているのに、いっこうに良くならない人も稀にですが、いらっしゃいます。
この理由は後程お話ししますね。
患者
解りました。
3、悪い姿勢を正しい姿勢にしてみると
撮った姿勢写真をもとに歪んでいる姿勢をまっすぐになるように動かしてみます。まずは右前方に歪んでいるので上半身をまっすぐにしてみましょう。
そうすると床を踏む足の裏の感じに変化がありましたか?
患者
先ほどに比べて、左右均等に足が地面についているように思います。
でも今の姿勢には違和感があります。
院長
無理やり真っすぐにしているので、変に感じるのでしょう。しかし、
今は姿勢がまっすぐです。今の状態も写真に撮ってみますね。
さて、この状態で前後左右に身体を押してみましょう。
違いがあるか感じてください。
患者
お願いします。
院長
わかりますか、前後左右とも抵抗する力が大きくなり、動かなくなりました。
また、先ほどは下にあった舌が上に上がっていませんか。
患者
自然に舌が上顎につくようになりました。不思議ですね。
それと、下顎がほんの少し前に出て口の中が広くなった感じがします。
院長
そうですね、姿勢を変えただけで口の中の様子も変わりました。
これが食いしばりにくい口腔内の状態です。
食いしばろうとも食いしばれないのがお解かりになりますか。
4、正しい姿勢から悪い姿勢にしてみると食いしばるようになる。
院長
一度元の姿勢に戻してみましょう。
少し前方に重心があるとおっしゃっていましたね。
足測定器で見ても前方に重心があります、また右側にわずかに重心がかかっているように思います。
患者
はい
院長
元に戻しました。では先ほどと同じように前後左右に押してみましょう。
まず前後に押してみます。
前方に重心が在るので、後ろから押すと弱いですね。
前から押す力には強くなります。
左右から押してみます。
左から押すのに比べ右から押す力のほうがわずかに抵抗する力が大きいです。右側に重心が有るからです。
患者
押されてもあまり力が入らないです。
先ほどの良い姿勢の時はどの方向からでも力が入りました。
踏ん張りがきく感じが無くなりました。
院長
そうですか
では次に今よりももっと悪い姿勢を体験してみましょう。
前方に重心があったのをさらに前方に力をかけて重心の位置をずらします。
すると倒れまいとして無意識にお腹を突き出し、顔は自然と上を向くようになります。いまの感じはどうですか?
患者
少し苦しくなりました。のどもつまります。
院長
下アゴの状態はどうでしょう。うしろに少し下がり、上の歯と下の歯がくっつくようになりませんか。
患者
はい
食いしばってしまいそうです。
息もしづらく、首元から肩にかけて固まってしまった感じがします。
院長
姿勢が悪くなると倒れまいとして腰に力が入ったり、背中に力が入ったり、首にも力が入ったりしてしまいます。
この体勢では負担のかかる部位に影響が出てしまう。腰痛、肩こりにつながっていくのですね。
5、食いしばらなくするには正しい姿勢にする。
院長
良い姿勢になると足全体に、均等に力がかかります。
もう一度正しい姿勢にしてみましょう。
姿勢を改善すると何だかぎこちなくなりますね。
意識しないで正しい姿勢にするためには色々な方法があります。
いくつかお教えするので試してみましょう。
1.ストレッチをする。
院長
この姿勢測定器には個人個人の姿勢に応じたストレッチの説明がついています。
こちらを参考にストレッチを続けてみましょう。
2、歩き方、靴の履き方、ひろの場体操の指導をする。
院長
歩き方から練習しましょう。
まずスリッパを脱いでください。
親指で蹴り上げるようにして3周通路を歩いてみてください。歩いているうちに背中がだんだん立つようになり姿勢が良くなることがわかります。
患者
解りました。
歩いてみます。
院長
そんなに意識しないで歩かなくてもよいですよ。
だんだん姿勢が良くなってきました。
院長
歩くのをやめてください。
少し足を開いて立ってみてください。
いい姿勢になりました。
患者
ぎこちない感じがなくなりました
足が地面に均等につくように思います。
院長
歩き方を意識するだけで足が全体に均等に地面につくようになったと思いませんか。
患者
はい思います。
たったこれだけで姿勢が良くなるのですね。
なんだか肩こりも楽になり、嬉しくなりました。
今まで悩んでいたことが解決したような気がします。
院長
今お教えした歩き方を実行して、ストレッチもやってみてください。
次回1か月後にご来院ください
もう一度姿勢の確認をさせていただきます。
どれだけ良くなったか楽しみにお待ちしています。
頑張ってください。
患者
頑張ってやってみます。
6、正しい姿勢にしても食いしばる人がいる
院長
ただいくら頑張っても1か月後のご来院で楽になったと感じにくい方がたまにおられます。どういうタイプの方か、説明しておきます。
・肩に力が入り、肩が常に上に上がっている人
・背中に常に力が入っている人
・首、顎に常に力が入っている人
・頭に常に力が入っている人
こういう人は力を抜く訓練をしないと良くなりづらいです。
稀におられるのですが、良くならないといって決して悲観しないでください。
腹式呼吸の訓練をするなど、力を抜く練習をして治るようにしています。
患者
解りました。
院長
このような患者さんは大きく息を吸うことが苦手です。
吐くときもゆっくり息を出すことができません
一つの目安になります。
患者
ありがとうございました
やってみます。
・・・まとめ・・・
◎悪い姿勢は身体のバランスが悪い。姿勢の傾きで重心の位置が変化し、姿勢を維持しようとして身体に力が入り、肩こり、頭痛につながります。
◎足を地面に均等につけれるようになれば、身体のバランスがよくなり、肩や腰に余計な力がかからなくなる。
◎ストレッチや、歩き方を変えたりして生活習慣を変える必要がある。
◎姿勢がよくても生活習慣の中で常に力が入れていると不定愁訴が良くなりづらい。
付録
歩き方、靴の履き方、ひろの場体操の指導
歩き方
@ 歩き方で一番のポイントは左右の親指に意識して歩くことです。
A 親指で蹴り上げるように進みます。
B そうすることにより背筋がのびてきて姿勢が良くなります。
C 立った時の姿勢が、踵重心から足全体に重心がかかり首肩の重みが少なくなったと実感できるはずです。筋力アップする歩行の仕方でもあります。
靴の履き方
@ ポイントは、すぐ脱げる靴を履かないこと。
A しっかりした、折っても折れないような靴を履くこと
B 紐靴を履くときは必ずきつく締めて履くこと。
C 親指に意識して歩くと姿勢が良くなる。
ひろの場体操
@ 浮指がなくなり地面にしっかりつくようになり姿勢が良くなる。
A 小学生に特におすすめです。
ひろの場体操 YouTube で検索
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くいしばり改善〜自分にあう高さの枕を作ります |
用意するもの
★ いつも使用シヨウしている枕マクラ 枕マクラ
★ バスタオル 3枚
★ 手テぬぐい 1枚
枕の高タカさの目安のPOINT
A 寝ネた状態で息が吸いやすいこと
B ツバが飲ノみ込コみやすいこと
作ってみましょう
@ バスタオルを三つ折にして枕の下に置く
↓ 図1
寝てみて、A息の吸いやすさ、Bの飲み込みやすさを試す
A 2枚目のバスタオルを折って、さらに枕の下に重ねて置
↓ 図2
寝てみて、A・Bを確認してください
B 3枚目のバスタオルを折って、さらに枕の下に重ねて置く
↓
寝てみて、A・Bを確認してください
タオルを重ねるうちに、だんだんと息のしやすさに変化が出てきたのがわかりますか?
もし3枚目を入れた時少し高いと感じたら、三つ折ではなく二つ折りにして挟んでみてください
図3
微調整をしたい時は、手ぬぐいをプラスして、A・Bを確認してください
タオルを重ねて高さを調整するうちに、必ずA・Bが最適な高さが現れます
C 良い高さが決まったら、その状態の枕で寝てみてください
D 寝ているうちにタオルの厚みが無くなるので、2.3日に1度は高さを再調整してください
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枕体験談 |
32歳 女性 枕の高さを調整したら食いしばりが少なくなった
1週間で装置が大きくすり減っていたが枕の高さを調整したらすり減らなくなった。
以前は食いしばりがひどく砕けた粉が、朝起きたら口の中にあった。
酷い時は食いしばりにより装置が削れて唾を吐かないぐらいひどかった。
院長に息が吸いやすい、唾が飲みやすい位置に枕を調整する仕方を教えてもらった。
いつも使っている枕の下にバスタオルをひいて息が楽になる高さを毎日いろいろ工夫しながらいろいろやってみた。
削れたところを盛り足して良くなっていたものが、次の日にはすり減っていたが、枕の高さを合わすようにしてからすり減り方が少なくなった。
非常に驚いている。長年歯ぎしりで悩んでいたものがだいぶ良くなったように思える。
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1週間で装置がすり減ってしまう
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